WaterfoxからPale Moon or Basiliskへ

数日前、WaterfoxがSystem 1という企業に買収されたことが発表されました。今後もプライバシーの尊重は守られるとのことですが、将来的に何かしらの影響は出てくるかもしれません。データ分析企業に買収されたことで、センシティブなユーザ離れも起こると思われます。

楽観視してはいますが、乗り換え先も検討しておこうと思い記事にしました。このブログはWaterfox(水狐)で辿り着く人も多いみたいで、そこら辺向けとでもいいましょうか。移行先の道標になるかもしれませんし、ならないかもしれません。特に深いことは書いていません。

Pale Moon?Basilisk?

未だにレガシーアドオンが手放せないという人は多いでしょう。セキュリティはどうあれ、XUL/XPCOMは強力で一定のニーズがあります。これらをサポートして開発が継続してるのは、WaterfoxPaleMoonBasiliskSeaMonkeyです。

Pale Moonはともかく、Basilisk(バジリスク)は初耳の人がいるかもしれません。BasiliskはPale Moonの作者が開発しているもう1つのFirefoxフォークです。FireFox Quantumが抱えるプライバシーや商標の問題が取り除かれています。

Pale MoonとBasiliskの違いをいくつか書き出してみます。

  • Pale Moonは最新バージョンが安定版(Stable)ですが、Basiliskは常にベータバージョンです。安定面は保証されません。機能の一部が取り除かれる可能性があります。
  • BasiliskはDRMとWebRTCのサポートを限定しています。
  • Pale MoonはFirefox 28までのUIがベース。BasiliskはFirefox 56までのUIがベースになっています(実際は52のフォーク)。
  • Mozillaにテレメトリを送信せず、位置情報をGoogleに送信しない点は両者同じです。
  • 同期機能はPale MoonとBasiliskは共通です(Firefoxとは別)。
  • 両者ともレガシーアドオンに対応しています。BasiliskはWebExtensionsも実験的にサポートしていましたが、v2019.03.08からインストールが不可能となりました。
  • Pale Moonは言語パックを入れるとメニューを日本語できますが、Basiliskは英語のみです(昔は強制的に言語パックを入れると日本語化できたのですが、現行はエラーが出ます)。
  • Pale MoonのレンダリングエンジンはFirefoxと同じGeckoですが、BasiliskはGoannaというものを使用しています。Firefoxのレンダリング結果と多少違いが出る場合があります。

実質、Waterfoxの移行先はこの2つのいずれかです。しかし、矛盾しますがこの2つはWatefoxの完璧な代替にはなりません。Waterfoxはレガシーアドオンに加えてWebExtensionを一部サポートしていましたが、Pale MoonとBasiliskはWebExtension未対応です。このため、レガシーアドオンのみでOKという人の選択肢になります。WebExtensionも必要!という人はWaterfoxを使うしかないと思います。

インストール

以降、Pale MoonとBasiliskのインストール方法やTipsを記述していきます。

Windows: 公式サイトからインストーラーをDLしてインストールだけです。

Linux: Pale Moonはディストリビューションにより手法が異なります。公式を参照してください。Basiliskの場合は、サイトからtarballをDLして解凍したものを/optに配置します。

tar xfbasilisk-latest.linux64.tar.xz
sudo mv basilisk /opt/

どちらもブラウザを起動したら、設定からContent>LanguageでJapaneseをAddしておくと、表示において日本語が優先されます。加えてPale Moonはここja.xpiをDLして、ブラウザにドロップすると日本語化できます。

両ブラウザとも、about:configgeneral.useragent.localeの値をjaに変更しておきます。※Basiliskではメニュー表示は日本語になりません。単なるロケール設定です。

検索エンジン設定

両者とも検索エンジンはデフォルトだとDuckDuckGoなので、Googleにしたい場合は設定>Searchから「Add more search engine」で飛んだページからGoogleを選択すれば可能です。

Pale MoonにPDF Viewerを載せる

昨今のブラウザは、PDF Viewerが内蔵されていますが、PaleMoonは対応していません。Basiliskは付属しています。ここからpdf.js.xpiをDLすれば、Firefox同様のPDF Viewerを実装できます。

Pale MoonのUIを変える

Pale MoonのUIが古いのは事実です。気になる人はテーマを導入しましょう。56ベースがいいなら、Australiumを入れるとほぼ同じになります。

Basiliskをアプリケーション一覧に表示する(Linux)

Ubuntu(Gnome Desktop)を使用している場合は、~/.local/share/applications/basilisk.desktopというファイルを作り、以下を記述します。

[Desktop Entry]
Type=Application
Name=basilisk
Exec=/opt/basilisk/basilisk
Terminal=false
Icon=/opt/basilisk/browser/icons/mozicon128.png
Categories=Network;Application;

ファイル配置後、デスクトップ上でAlt + F2を押した後にrを押すとGnomeが再起動して一覧にBasiliskが表示されます。

アドオン

アドオン入手する方法をいくつか記述しておきます。

公式ページから入手

どれを利用しても問題ありませんし、ラインナップは概ね共通だと思います。

最初に名前を挙げたSeaMonkeyも代替ブラウザの1つになります。デフォルトで日本語に対応しています。しかし、全面的に時代遅れになっている部分が多く、ブラウザ自体はお薦めしません。

このSeaMonkeyも公式サイトにアドオンがホストされており、これらはBasiliskやPaleMoonでもインストール可能です。

アーカイブから入手

MozillaがFirefoxのアドオンページから旧アドオン(言語ファイルまで!)を削除したため、過去のアドオンを入手できません。Classic Add-ons Archiveをインストールすると、過去登録されていたレガシーアドオンが入手できるようになります。アドオンインストール後、アドオンのアイコンを押せばアーカイブページに飛べます。昔、自分が公開したアドオンもちゃんと残っていました(笑)

✍Classic Add-ons Archiveは、PaleMoonやWaterfoxでも利用できます。

昔使っていたアドオンをインストール

上記のようにアーカイブから旧アドオンをインストールできますが、公式に置かれていなかった野良アドオンはどうでしょうか。今では滅多にないでしょうが、ひと昔前は特定サイトで有志がツールを開発・配布して…みたいなこともありました。そういう既に入手できないものも、アドオンがインストールされているFirefoxがあれば復元できる可能性があります。

インストール済みのブラウザでabout:profilesを入力すると、プロファイルが表示されます。今までプロファイルを作成したことがなければ、「default」が1つあると思います。「ルートディレクトリ欄」の「ディレクトリーを開く」をクリックします。フォルダが開くので、extensionsというフォルダを探します。その中にインストールされたアドオン名.xpiが存在するはずです。これをBasiliskやPale Moonにドロップすると、インストールできます。

ただし、アドオン側がサポートするFirefoxのバージョンを指定している場合は、必ずしもインストールできるわけではありません。アドオン側のコードを一部書き換えて強制インストールは可能ですが、範囲外なのでここでは割合します。

おわりに

仕方ないとは言え、レガシー周辺はどんどん状況が悪くなっています。切り替えたくも、機能は中々手放せないものです。現状はWaterfoxが変な方向にいかないことを祈るばかりです。